再生医療等製品の規制を学ぶ③GCTP省令とGMP省令の違いは?

こんにちは!
再生医療等製品の規制を勉強する第3回です。今回は、前々回気になっていた「GCTP省令とGMP省令の違いは?」という点について、少しだけ触れてみたいと思います。まだまだ私は経験も知恵も足りないため、狭く、浅い見方しかできませんが、できる範囲で見てみたいと思います。

まず手始めに、目次を比較してみました。日本ではどんな風に捉えられていて、GMP省令と何が違うのか見えてくる気がしまして。
この記事は2020年4月時点の情報に基づいて書いています。GMP省令は近々改正されると言われていますので、また比較しなおさなければならないと思います。そのあたりを踏まえてお読みいただければと思います。

GCTP省令
再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成二十六年厚生労働省令第九十三号)
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百七十九号)
(第一節まで)
第一条 (趣旨)
第一条 (趣旨)
第二条 (定義)
第二条 (定義)
第三条 (適用の範囲)
第三条 (適用の範囲)
第四条 (品質リスクマネジメント)
第五条 (製造部門及び品質部門)
第四条 (製造部門及び品質部門)
第六条 (製造管理者)
第五条 (製造管理者)
第七条 (職員)
第六条 (職員)
第八条 (製品標準書)
第七条 (製品標準書)
第九条 (手順書等)
第八条 (手順書等)
第十条 (構造設備)
第九条 (構造設備)
第十一条 (製造管理)
第十条 (製造管理)
第十二条 (品質管理)
第十一条 (品質管理)
第十三条 (製造所からの出荷の管理)
第十二条 (製造所からの出荷の管理)
第十四条 (バリデーション又はベリフィケーション)
第十三条 (バリデーション)
第十五条 (製品の品質の照査)
第十六条 (変更の管理)
第十四条 (変更の管理)
第十七条 (逸脱の管理)
第十五条 (逸脱の管理)
第十八条 (品質等に関する情報及び品質不良等の処理)
第十六条 (品質等に関する情報及び品質不良等の処理)
第十九条 (回収処理)
第十七条 (回収処理)
第二十条 (自己点検)
第十八条 (自己点検)
第二十一条 (教育訓練)
第十九条 (教育訓練)
第二十二条 (文書及び記録の管理)
第二十条 (文書及び記録の管理)
第二十三条 (記録の保管の特例)
附 則

だいたいの項目はGCTP省令とGMP省令で一緒でしたね。まだ本文は見ていませんが、GCTP省令はGMP省令とほぼ同じ構成で作られていることが分かります。

一方で、前回の記事「品質、非臨床安全性試験及び臨床試験に関する技術的ガイダンス」でも登場した品質リスクマネジメントが、GCTP省令でも序盤の第4条で登場しています。GMP省令も、次の改正後は品質リスクマネジメントが含まれるとの情報がありますが、一足早くGCTP省令は品質リスクマネジメントを含めている点で、再生医療等製品にとって品質リスクマネジメントは大きなキーワードになってくるのでしょう。


私の認識が正しければ、品質リスクマネジメントは主に開発のステージでリスクマネジメントの手法を使って、患者さんのリスクを低減した製品であったり、製造工程をデザインすることを想定しているはず。GCTP省令は、製造販売のステージに移ってからの基準なので、品質リスクマネジメントについてはどのような書き方をされているのか、今後見ていきたいと思います。

>後日追記です。省令本文を見てみたところ、「品質リスクマネジメント」については以下の記載でした。

(品質リスクマネジメント)第四条 製造業者等は、製造所における製品の製造管理及び品質管理を行うに当たっては、品質リスクマネジメントの活用を考慮するものとする。

えええーーっと、はい、予想していたのと違いかなり簡潔ですね。2行。重要なことが必ずしも長く書かれる訳ではありませんが…。意図されていることをもっと理解するために、今後、解説やQ&Aがないか見ていきたいと思います。

第十四条「バリデーション又はベリフィケーション」も、再生医療等製品ならではな感じがしますね。つまり、まったく素人の私の想像ですが、プロセスバリデーションを行う数のケースが確保できないことが多かったり、品質のばらつきが大きいため評価が難しいとか、そういった事情がありえそうですよね。
厚生労働省医薬食品局長 薬食発 0812 第 11 号ではこのように定義されています。

(6) 「ベリフィケーション」とは、やむを得ない理由によりバリデーションを行うことができない場合において、手順書、記録、計画書、報告書等から、製造手順等が期待される結果を与えたことを確認し、これを文書とすることをいうものであること

 

第23条「記録の保管の特例」について、どのような事が書かれているのか、今後、見ていきたいと思います。