へんてこな贈り物 誤解されやすいあなたに--注意欠陥・多動性障害とのつきあい方/エドワードM.ハロウェル/ジョンJ.レイティー/司馬理英子

この本の原著(Driven to Distraction)がアメリカで最初に発行されたのは1994年。著者のエドワード・ハロウェル博士は、この本をかかれた1990年代までに、数十人のADD/ADHDの人を診てこれらた精神科医で、いわばADHDのパイオニア的存在でしょう。

本書では、これまで博士に治療を受けた十数人の方の人生の一部始終がつづられています。

登場するのは、子どものころからADDの傾向を持ったまま大人になった人達で、博士の元を訪れる時には、仕事や家族との間にトラブルが起こってたり、自信喪失していたり、または、うつ病などのADDと合併症で苦しんでいることが多いようです。

その人たちが、どういう子ども時代を過ごし、どういう仕事をし、どんな人間関係をもち、どんな合併症(うつ病、薬物依存、etc)があるのか、

そして、ADDの兆候を持っていることに気付いたあと、どんな治療をし、どんな風に改善されたのか。本人の感覚や集中力の改善、ひいては学業や仕事の成績、そして周囲との人間関係がどのように変わったのか書かれています。

また、社会生活を送る上でのトラブルや悪い面だけではなく、光る才能を持っている人がいることや、勉強にうまく打ち込むことができていないけれど、実はとても高いIQを持っている人、治療することで見違えるほど成績がよくなった子どもなど、定型発達の人をも凌ぐ面や埋もれている才能があることについても書かれています。

診断や治療の指針、また患者個々人が周囲の状況を改善し、社会に適応するにはどうすればいいかも、書かれておりますが、こちらは、本が書かれてから20年以上経っておりますので、もしかすると最新の情報を参考にされたほうがよいかもしれません。

私個人としては、「ADD50のこつ」という、生活を送る上での心構えややった方がいいこと、やらない方がいい50個のことが書かれた箇所は、何度も読み返したいと思っています。その50のコツの中から、今一番ピンときたものをご紹介して、今日の記事を終わりたいと思います。

 
 

「あなたが理解されず、真価を認められない場所には長居しないことだ。
 
ADDの人は、否定的な人によってひどく消耗させられ、気力をくじかれる。それなのに、ADD 族はそういう人たちの中に長居をしすぎて、どうしても無理だとわかっている時でも、悪あがきをする。」

  
   
特に自己肯定感が下がっている場合には、その集団から離れることが、もっと自信を無くしてしまうことに繋がりそうで怖く感じることがあります。
環境が合わないと感じた時は、潔く諦めて別の箇所をさがす、そういうことも大事なのかもしれません。