本を読んだり、考えたりするのは好き。
健康のために運動した方がいいのはわかってる、けど、運動は苦手で、なるべくやりたくない。
そんな重い腰を上げるために、ピッタリの本だと思った。
運動には、体を鍛える以外の効果がある
はじめに、1時限目の前に有酸素運動の時間を導入したアメリカの高校で、こんな成果があったそう。
-テストの平均点が上がった。
(国際的なテストで理科1位、数学6位)
‐校内暴力が減った
-内気な子は、コミュニケーション力がの向上がみられた
本書はこのあと一章ずつ割いて、
精神的ストレス、パニック障害を含む不安、うつ状態、注意欠陥障害、認知症予防、ホルモンバランスの変化、すべての改善にも、有酸素運動で効果があった例を紹介する。
なぜ、脳に変化があるのか
本書では、体内の分子レベルのことから、心理面のことまで解説されています。
理解できた箇所を、箇条書きで抜粋しました。
‐運動をすると、血流が良くなり、各種の脳内物質も盛んに分泌されるが、
特筆すべきは、神経栄養因子(BDNF)という物質の増加
-BDNFは、他の成長因子と協働して、ニューロンの成長を促す⇒学習を促進する
-BDNFがセロトニンやGABAを増やす⇒安心感・リラックス感が増す
-心筋の鼓動が高まると、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)というホルモンを生成、
このホルモンは過度の興奮を抑える
‐筋肉が和らぐことで、不安も和らぐ
つまり、こういうステップで、運動をすると学習効率が上がるのでしょうか。
運動すると、気持ちがよくなり、頭がスッキリし、注意力も上がる、
さらに、ニューロンの成長を促す物質も分泌され、学習するタイミングとしては最適。
特に、気分障害に対して薬物療法を行っている人は、
薬に頼らずに自力で不安を克服する経験から、自己効力感が高まり、回復が早まる効果がある、というのも興味深いです。
脳を鍛えるために、どんな運動をすれば良いか
著者も言う通り、この分野は発展途中でセオリーはないよう。ちなみに現段階でわかっていることなのだろうが、本著ではこういうやり方を勧めている。
-有酸素運動を、毎日でなくてもいいので、継続すること
それも、最大心拍の70~80%の運動をすること
-バランス感覚が重要とされる運動(ロッククライミング、ヨガ、ダンスなど)も
有酸素運動に組み合わせると、脳が刺激されて学習効果が上がる
-運動しながら学習しても効果は上がらない。学習効率が上がるのは、運動の直後。
まとめ
ちょっと運動万能すぎる感じ、また、ジョギング大好きなアメリカの人によって書かれたことを思うと、
この本で挙げられた数々のエビデンスは、統計的にフェアなものなのかな~、という疑問を抱かなくもない。
けれど、運動によって気分がスッキリしたり、ポジティブな気分になるは、
多くの人も経験したことがあるのではないでしょうか。
特に、普段あまり身体を動かさない人、ひきこもりがちな人、気分が沈みがちの人、
いろいろなアプローチはあると思いますが、
この本を読んでぜひ、身体を動かす習慣をつけることをお勧めします!
コメントを残す